太田康介写真展「のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録」@名古屋|ギャラリータマミジアム

太田康介写真展|2012年2月23日(木)〜28日(火)〔※会期中無休〕|午前11時〜午後7時30分(最終日午後5時)

福島第一原発20キロ圏内にのこされた動物たちを撮影記録した太田康介(おおたやすすけ)カメラマンによる写真の展覧会「太田康介写真展『のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録』@名古屋」をご紹介。

太田康介写真展-「のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録」

今も待っている、いのち。

太田康介著書『のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録』表紙

 「震災と原発事故から1年を経ようとする今も、悲劇の続く場所、福島第一原発20キロ圏内。長い孤独と飢えの中、原発20キロ圏内では多くの生命が奪われました。


 飢えの果てに死へと追いやられた家畜、苛酷な環境を懸命に生きる犬や猫、人間を知らない新しい生命・・・。東北の冬は、ただ容赦なく平等に訪れます。


 フリーカメラマンが見つめ、記録し続けた現実。何も終わっていない『今』が、ここにあります。


 どうか忘れないでください。彼らのことを―。」

(展覧会チラシより)


 「私は、ごめんよ、ごめんよ、と謝りながら写真を撮りました。私にできることは、写真を撮り、今起こっている現実を多くの人に知ってもらうこと。それしかできないのです。やがて怒りが沸いてきて、チクショー、チクショーと呻きながらシャッターを切りました。その怒りは、私を含めた人間に対してのものです。」

(太田康介著書『のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録』本文より)


 本展は、福島第一原発20キロ圏内で動物愛護ボランティアをしながら、原発事故後の警戒区域で助けを待ちつづける動物たち(のこされた動物たち)を撮影し続けるフリーランスのカメラマン、太田康介さんによる写真展です。今冬に撮影した写真を含め、未発表のものを多数展示致します。何卒是非ご高覧ください。

〔図版=太田康介著書『のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録』表紙〕



太田康介写真展-開催概要

展覧会名
太田康介写真展「のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録」
展覧会会期
2012年2月23日(木)〜2月28日(火)
休廊日
会期中無休
開廊時間
午前11時00分〜午後7時30分(最終日は午後5時00分閉廊)
入場観覧料
無料
出品者
太田康介 (おおた やすすけ)
来場日
25日(土)・26日(日)
特別ゲスト
ソラくん(太田康介写真展「のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録」)ソラくん⇒ソラくんは、太田康介著書『のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録』の表紙写真に写されている被災犬です。震災後、福島第一原発20キロ圏内に取り残され、その後も数奇な運命を辿ってきました。そして昨今、ソラくんが皆様のあたたかいご支援により、この名古屋の地で無事保護されていることが判明しました。ソラくんは23日(木)午前11時、専門家の方と共に来場します。ソラくんの目が訴える現実を、是非、受けとめてみてください。なお、ソラくんは23日のみの来場予定ですが、ワンちゃんなので、あくまでも予定とさせて頂きます。
展示内容
写真作品35点(B1サイズ5枚+B3サイズ30枚 ※未公開写真を含む)
書籍販売
太田康介写真集『待ちつづける動物たち 福島第一原発20キロ圏内のそれから』(飛鳥新社刊・2012年3月2日出版)太田康介写真集『待ちつづける動物たち 福島第一原発20キロ圏内のそれから』(飛鳥新社刊・2012年3月2日出版)を、全国に先駆けて24日(金)午後より先行販売します。本書は、太田康介写真集『のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録』の続編です。東北の寒い冬、食べ物のなくなった土地で命をつなぐ犬猫。生き残った牛たちが迎えた悲しい結末。震災から一年、報道されることのない原発20キロ圏内の現実を伝えます。1,365円。
主催
写真展「のこされた動物たち」名古屋 実行委員会


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展覧会への思い (主催者代表挨拶)

福島から約600キロ離れた名古屋でも、何かひとつでも、出来ることはあるはず

太田康介ブログ「うちのとらまる」-『脱走ダチョウ』(2011-12-26)より


 この度、写真展「のこされた動物たち」名古屋 実行委員会を立ち上げた井上めぐみです。


 3月11日の東日本大震災当日、南米在住の友人の言葉が始まりでした。


 「原発が危ない。」


 テレビでは津波と余震、帰宅難民の報道ばかりがされている中、驚きました。

 恥ずかしいことに、私はこの時、初めて福島県に東京電力福島原発があることを知りました。


 その後は皆さんも報道でご存知の通り、最悪の事態となりました。警戒区域内で残された家畜動物たちの現状を毎日、必死で調べました。


 カメラマン太田さんのブログ『うちのとらまる』に出会いました。


 毎日毎日、現地から伝わる想像を絶する家畜たちの悲惨な姿。けれど、パソコンの前でただ声を出して泣くだけ。何も出来ない自分にただ苛立ち、冷静にどうすればいいのかも考える余裕はありませんでした。


 眠れない日が続き、明け方までただ泣くだけ。その繰り返しでした。しかし涙は枯れませんでした。今までボランティアの「ボ」の字もなく 自由勝手気ままに生きてきた私の背中を押してくれたのは、太田さんのブログです。「私も動こう」と決意し、6月に初めて一人で福島に向かうことができました。


 『福島から約600キロ離れたここ名古屋でも、今も、何かひとつでも出来ることはあるはず。』


 現在も給餌保護活動もしていただいている太田さんへの恩返しも含め、今も必死に生きている福島の動物たちのために、ココ、名古屋で写真展を開催したい。 この思いだけです。 ありがとうございました。


〔文=写真展「のこされた動物たち」名古屋 実行委員会 代表 井上めぐみ〕

〔写真=太田康介ブログ「うちのとらまる」-『脱走ダチョウ』(2011-12-26)より〕


代表の井上さんが東海ラジオ番組「兵藤ゆきのハッピーにゆきね〜!」に生放送出演!

 番組の中で写真展「のこされた動物たち」名古屋実行委員会代表がこの展覧会に対する思いを、兵藤ゆきさん、そして番組をお聴きしている皆さんに語りました。


番組名
兵藤ゆきのハッピーにゆきね〜!
放送局
東海ラジオ JOSF 1332kHz
放送日時
2012年1月14日(土)午前11時〜(出演時刻は午前11時15分頃 ※生放送)
番組URL
http://www.tokairadio.co.jp/program/yuki/

ラジオ応援隊兵藤ゆきのハッピーにゆきね〜!招福!ハッピー絵馬

〔写真=兵藤ゆきさんから贈られた「ハッピー絵馬」〕


太田康介|略歴

太田康介 (おおた やすすけ)

略歴:1958年生まれ。滋賀県出身。フリーランスのカメラマンとして、アフガニスタン、カンボジアなど紛争地域を撮影。2002年に猫を飼い始めたことで魅了され、以降は動物も被写体とする。原発事故によって取り残された動物たちの窮状を知り、個人で保護活動を行いながら今も撮影を続けている。公益社団法人日本写真家協会(Japan Professional Photographers Society 略称JPS)会員。

著書:『のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録』(飛鳥新社・2011年)/『待ちつづける動物たち 福島第一原発20キロ圏内のそれから』(飛鳥新社・2012年)

ブログうちのとらまる

ツイッター太田康介@tora

 


太田康介写真展「のこされた動物たち」が朝日新聞に紹介されました

太田康介写真展「のこされた動物たち」が朝日新聞に紹介されました。

太田康介写真展「のこされた動物たち」が朝日新聞に紹介されました

◆太田康介(やすすけ)写真展

のこされた動物たち

 23日(木)〜28日(火)、午前11時〜午後7時、半(28日は5時まで)、名古屋市中区錦3丁目のギャラリータマミジアム(栄駅、電話052・957・3603)。


 東京から現在も福島県へ通い、動物愛護ボランティアの活動を続けるフリーカメラマンの太田。


 「福島第一原発20キロ圏内の記録」と題し、東日本大震災の被害を受けた動物たちの姿を撮った作品を並べる。未発表作品を含む35点。


 無人の家で飼い主を待つ犬や、やせ細った牛、野生化したダチョウ=写真=など。「残された動物に何かできることはないか」というメッセージを伝えたいという。

〔朝日新聞2012年2月22日(水)夕刊「beアート『展覧会』」より〕


「のこされた動物たち」表紙の被災犬ソラくんが中日新聞に紹介されました!

恐怖和らぎ元気に

太田康介写真展「のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録」関連記事=著書の表紙写真に写された被災犬「青空(そら)」=ソラくんとソラくんを預かるドッグトレーナーの記事(中日新聞2012年2月21日夕刊社会面より)


福島・南相馬で保護 被災犬

 店のドアを開けると「ハッ、ハッ」と前脚を上げて駆け寄り、ひざをなめてきた。名古屋市千種区のペットサービス店のシバイヌの雑種「青空(そら)」。東日本大震災の津波と原発事故の惨禍に見舞われた福島県南相馬市で保護された犬だ。水や慣れない環境に当初はおびえていたが、ようやく人なつこいしぐさを見せるように。今も行方の分からない飼い主との再会を待っている。

(河郷丈史)

「青空(そら)」、飼い主との再会待つ

 「フレンドリーでしょう。飼い主にかわいがられていたんだろうね」。ペットの預かりやしつけなどをする「R・E・T・A」を経営しているドッグトレーナー和田龍介さん(六四)=愛知県豊明市=がほほ笑んだ。

 「青空」は昨年四月上旬、南相馬市小高区の民家にいるのを動物愛護のNPO法人「ケンの家」(横浜市)代表の浅川晶枝さん(五〇)に保護された。現場周辺は福島第一原発から二十キロ圏内の警戒区域で津波の被害も受けた。

 和田さんには、知人を通じて引き取りの話があり、四月下旬に預かった。推定三〜四歳の雄。体長八五センチ、体重は健康な同種の犬に比べて三〜四キロ少ない一七キロ。おびえた目をしていた。「暗いのは嫌だから、抜けるような明るいイメージに」。そう願って「青空」と名付けた。

 豊明市の和田さん方の庭で暮らし始めた「青空」は雨が降るたびにひどく不安がった。高さ一・五メートルの塀を何度も乗り越えて逃げ出し、高い場所を求めて犬小屋の上にはい上がった。和田さんは「水にすごく敏感。きっと津波をかぶったんだろう」と思いやる。

 現在、体重は二一キロに。雨への恐怖も少しずつ和らいでいる。でも、年配の女性を見ると、何かを探すような反応を見せることがある。「南相馬でどこかの家庭の奥さんに飼われていたのかも」と和田さん。

 元の飼い主を捜すため、浅川さんらは情報を集めている。「青空」のいた家に連絡先を記した手紙を残してきたが連絡は来ていない。和田さんは本当の飼い主が現れる日まで、責任を持って育てようと思っている。

原発の警戒区域内 犬407匹猫228匹保護

 環境省動物愛護管理室や福島県動物救護本部によると、福島原発の警戒区域の市町村で、狂犬病予防の登録をしている犬は五千八百匹。四月以降に行政機関が区域内で保護したのは、犬が四百七匹、猫が二百二十八匹に上った。

 環境省の担当者は「どのくらいの動物が被災して飼い主とはぐれたままなのか、実数はつかめていないが、かなりの数に上る」と説明する。福島県内ではNPO法人「ケンの家」が四十匹を保護するなど、さまざまな団体が保護に取り組んでいる。

〔図版=中日新聞2012年2月12日(火)夕刊社会面「いま寄りそう」より〕



太田康介写真展「のこされた動物たち」が中日新聞に紹介されました

動物写真展で訴え

太田康介写真展「のこされた動物たち」が中日新聞(2012年2月23日朝刊「市民版」)に紹介されました。

原発20キロ圏内の記録 フリーカメラマン太田さん、中区で

 福島第一原発事故の立ち入り制限区域に取り残された動物を撮影しているフリーカメラマン太田康介さん(五三)=東京都世田谷区=の作品展「のこされた動物たち〜福島第一原発20キロ圏内の記録」が、二十三日から中区錦三のギャラリータマミジアムで始まる。 (河郷丈史)

置き去りの命救え

太田さんは滋賀県の出身で、名古屋市内の写真学校を経てフリーカメラマンになった。東日本大震災による福島第一原発事故以降、原発から20キロ圏内の警戒区域で動物たちを保護する傍ら、撮影を続けている。

 展示する三十七点は、津波と原発事故で人影が消えた町で、餓えて死に追いやられていくイヌやネコ、ブタ、ウシたちを生々しく捉えている。

 福島県南相馬市の海岸近くで撮影した写真は、決壊した堤防のがれきが散乱する中を一匹のミニチュアダックスフントを写した。

 昨年九月、ボランティアが見つけて保護したが、病院に向かう途中で死んだ。歯ぐきが真っ白で、栄養失調の状態だったという。

 このほか、馬房の中で仲間の死体を見つめるウマや、仲間の死体に挟まれて身動きが取れなくなっているブタなど、見放された動物たちの惨状をカメラに収めている。

 太田さんは「国は動物をモノ扱いにして置き去りにした。写真を見て『ひどい』と感じてほしい。そして動物たちを助けるため、皆さんにも行動を起こしてもらいたい」と訴えている。

 作品展は二十八日まで。入場無料。問い合わせは、同ギャラリー=電(957)3603=へ。

県内で保護 被災犬「青空(そら)」 きょう会場に

 展示作品に写っている福島県南相馬町市の被災犬「青空(そら)」が、愛知県内で保護されている。

 昨年四月に太田康介さんが撮影した後、横浜市の動物愛護団体が保護。千種区でペットサービス店を経営するドッグトレーナー和田龍介さん(六四)=豊明市=が知人を介して引き取り、「青空(そら)」と名付けて世話をしている。

 「青空」は当初、雨が降るとおびえるなど津波のショックを抱えているようだったが、現在は新しい生活に慣れ、元気を取り戻している。太田さんは「あのときの犬が名古屋で保護されているとは。本当に運のいい子だ」と驚いていた。

 「青空」は初日の二十三日に会場を訪れる予定。

〔中日新聞2012年2月23日(木)朝刊『市民版』」より〕


ご参考 〔MSN産経ニュース デジタル(2012年5月26日配信)/文:山上直子)〕

 僕の気持ちが確実に伝わった記事です。良い記事を書いてくださり、ありがとうございました。【東日本大震災】ごめんね、くるみ…戦場カメラマンが記録、声なき犠牲者「のこされた動物たち」 - MSN産経ニュース

(太田康介 5月29日)



助けてやれなかった

 小屋で眠るように息絶えていた犬、首輪だけが残された猫−。福島第1原発20キロ圏内の警戒区域に残された動物たちを撮り続けるフリーカメラマン、太田康介(やすすけ)さん(53)の写真集が反響を呼んでいる。昨年7月発刊の「のこされた動物たち」、続編「待ちつづける動物たち」(3月発刊)は計4万5000部を突破、今月には2冊セットのボックス本が発売された。東日本大震災から1年余り、人がいなくなった土地で必死に命をつなぐ動物たちの記録は生々しく、悲しい。


 震災から4カ月後の7月2日、福島県南相馬市に入った太田さんは、何もかも流され崩れた海沿いの堤防に、小さな黒い動くものを見た。ミニチュアダックスフント。後にわかるのだが、くるみというその犬は救出のヘリに乗れず取り残されていた。そばにあった家は跡形もなく、瓦礫の中にぽつんと1匹。それには理由があった。


 その堤防はくるみの毎朝の散歩コースだったのだ。以来太田さんは何度も訪れたが、飼い主以外になつかなかったというくるみを保護することはできなかった。写真集には、うつむき加減に歩く寂しげなくるみの姿がある。


 9月14日、知り合いのボランティアが、4キロほど離れた国道でとぼとぼと歩いているミニチュアダックスを見つけた。近寄ろうとしたとたん、ぱたんと倒れてしまったという。すでに瀕死(ひんし)の状態で、病院に運ぶ車の中で息絶えた。6カ月もの間、散歩道周辺を離れようとしなかったくるみ。震災から半年、くるみは、なきがらになってようやく飼い主のもとに戻ることができた。


がんばったね、ゴン太

 楢葉町の民家で、太田さんたちは不思議な光景を見た。食料のない被災地では襲われやすい烏骨鶏(うこっけい)や牛が生きている。調べてみると薄暗い納屋に力なくうずくまっている白い犬、ゴン太がいた。いやがるゴン太を連れ出すと、黒く汚れていると思ったのはすべて血で、重傷を負っている。病院に連れて行くと、複数の犬にかまれ、尻尾はかみ切られ、耳も片方ちぎれ、命も危ない状態だったことがわかった。


 ゴン太は飼い主の言いつけに従い、他の犬たちから家畜をずっと守っていたのだろうと想像できた。「約2カ月、ゴン太は見事に守り抜いたのです」と太田さん。現在、回復したゴン太は病院で飼い主とともに暮らせる日を待っている。


地獄絵

 「今も彼らは被災し続けているんです。(震災の)風化どころか、今この瞬間もこの日本で、何の手当てもされず餓死し続けている。この現状を見てください」

 訴える太田さんの言葉には怒りがにじむ。ペットの犬や猫、家畜の牛や馬…人とともに生きてきた動物が、人がいない食料もない警戒区域で想像を超える過酷な状況に置かれている。


 太田さんは滋賀県出身で現在は東京都在住。初めて福島第1原発20キロ圏内に足を踏み入れたのは昨年3月30日だった。きっかけは現地入りしたジャーナリスト、山路徹さんのツイッター。

 「『犬がいます。おなかをすかせています。僕にはどうすることもできません』と。犬の写真を見てすぐに行かなきゃと思った」

 なんとかガソリン、餌、水を調達して南相馬市へ。まだ規制前で、足を踏み入れると犬がいた。餌と水をやって進むと、またすぐ別の犬が。空腹もだが、犬たちは一様に人恋しさをにじませすり寄ってくる。あっという間の初日、気づくと太田さんはほとんど写真を撮っていなかった。「餌をやるのに精いっぱいで撮る余裕もなかった」と振り返る。20キロ圏内の現実に圧倒された1日だった。


 2日目には早くも餌が尽き、1人では限界があると痛感。知り合いのボランティアに声をかけ保護活動を始める。以来、現地入りした日数は延べ60日以上、個人でも50匹以上を保護。20キロ圏内が警戒区域に指定されてからも、違法と知りつつ週に1回の福島通いを続けた。


 何よりうちのめされたのは、牛舎の惨状だ。やせ細り、足腰が立たなくなって座り込む牛。周りには力尽きて倒れた仲間の死骸が重なり、そこはまさに地獄絵。わずかに残った牛も人の足音を聞きつけると、聞いたこともないような悲壮な声であらん限りに叫んでいた。


 「現場でのたうちまわりました。いったいどうすればいいのか。飢えは苦しいでしょう。肉牛といえども家畜を飢えて死なせちゃいけないよ。でも何もできず、チクショーって、うめきながらシャッターを切るしかなかった」


 「いるんですよ、まだ」

 震災後、政府の動物保護対応は遅かった。国と環境省が民間動物愛護団体の立ち入りを初めて許可したのが昨年12月、飼い主のペット持ち出しが認められたのは今年1月末だ。一方、多数の民間ボランティアが水面下で活動してきた。


 太田さんは現在もボランティア団体「福島原発20キロ圏内 犬・猫救出プロジェクト」の大網直子さんらとともに保護活動を続け、写真展や報告会を開いて警戒区域の現状を訴えている。GW中、京都市の法然院でも報告会を開き、100人を超える人が太田さんや大網さんらの訴えに耳を傾けた。


 辛い現実だが、震災から1年が過ぎ、被災地の動物たちは減ったというのが太田さんの実感だ。保護されたペットは飼い主を探し、里親募集もしているが、死んでいった動物の方が多いだろう。 「いるんですよ、まだ。1年がんばって生き抜いて待ち続けている。彼らの被災は終わっていない」


 動物たちをどうしたら救えるのか、答えは出ない。戦場カメラマンとしても活動してきた太田さんだが、「これまでは撮りたいから撮っていた。でもいまは違う。初めて“伝えたい”と思う」。

〔文:山上直子 (MSN産経ニュース デジタル 2012年5月26日配信)〕


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展覧会スナップ

太田康介写真展「のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録」スナップ1


太田康介写真展「のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録」スナップ3


太田康介写真展「のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録」スナップ5


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