榊原康範展3-『私の観た世界』|名古屋の画廊ギャラリータマミジアム

榊原康範展3-私の観た世界|2011年7月2日(土)〜10日(日)〔※6日(水)休廊〕|午前11時〜午後6時(最終日午後5時30分)

白日会会員で洋画家の榊原康範先生による「私の観た世界」をテーマとした油彩画やテンペラ画の展覧会「榊原康範展3」をご紹介。

榊原康範展 3 ― 展覧会のご案内

この世界をどう認識するか―。

榊原康範作品『Dusk of Kolkata』

〔図版=『Dusk of Kolkata』 榊原康範 テンペラ/板 2008-2010年〕

絵とは何か―。まだまだ解らず、描いている。 (榊原康範)

 この世界をどう認識するか―。 2008年、2010年、2011年と3度にわたってインドを旅し、取材を重ね、母国日本と自分自身を見つめ直す洋画家の榊原康範先生は、自分の目の前にある現実と目に映る現象を徹底的に観察し、絵を描くことによって対象と深く対峙し、自分と世界との関係や「世界の構造」を把握すべく、哲学的な造形思考を展開している思索の画家です。


 過去2回の個展では、「人間」と「自然」を対比させ、「世界の広さ」と「世界の構造」を把握しようと果敢に挑戦する作家の制作姿勢が前面に押し出されていましたが、今回の個展では、昨年他界した肉親の死をきっかけに、人間の生きられる時間を通して考えた「時間」の概念が加味され、また、インドと日本の間にある文化や自然の差異を通して考えた「空間」の概念も強く意識されるようになり、世界を把握しようとする姿勢が二項対比的な捉え方から、より歴史的、超越論的、自然体的なものへと変化しました。


 唯物論的な見方や唯心論的な捉え方を乗り越えたところに世界の本当の姿を見出そうとする画家の視線は、外に向けられたり内に向けられたりして絶えず移動を繰り返しますが、その運動の中にこそ作家独自の哲学的造形思考が生まれ、幾重にも塗り重ねられた絵画作品の中に、その濃密な過程と痕跡を垣間見ることができます。

 …世界の構造を知る旅へ―。何卒是非、ご高覧ください。



榊原康範展-開催概要

展覧会名
榊原康範展3-私の観た世界- Yasunori Sakakibara Exhibition 2011
展覧会会期
2011年7月2日(土)〜7月10日(日)
休廊日
7月6日(水)
開廊時間
午前11時〜午後6時(最終日は午後5時30分まで)
入場観覧料
無料
出品作家
榊原康範 (さかきばら やすのり)
作家来廊日
7月2日(土)・3日(日)・5日(火)・10日(日)
展示内容
油彩画及びテンペラ画 約20点

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画家の言葉

今回の個展について

榊原康範作品

〔図版=『DEEP DISTANCE #1 (TOBONEYAMA) 愛知県 遠望峰山』 榊原康範 2008年〜2011年〜 227×103cm テンペラ 油彩 白亜地 麻布 板(第87回白日展)より〕

「http://bara-art.vis.ne.jp/imagepage/workspage/gallerypage2/deepdistance1.htm」


 今回の個展は、インドでの取材(2008年と2011年のヴァラナシ、コルカタ、そして2010年のラジャスタン地方)の成果を中心に、愛知県額田郡幸田町と蒲郡市の境にある遠望峰山(とぼねやま)からの眺望を描いた作品を加えた内容となる。


 インドのラジャスタン地方にある石造りの街や砂漠を見た後、日本に帰ってこの遠望峰山の風景を見た時、私は緑豊かな日本の自然とその生命力、そしてその背後に「水脈」の存在を感じた。当たり前と思っていたものが、揺らいだ。


 インドで灼熱の太陽に炙られながら絵を描いていると、私の前を不意に風が流れる時がある。雨、靄、霧、空気や水の動きに潤う。そして雨が降る直前の土の匂いに、ほっとする。日本人のDNAなのかと感じる。この時こそ、対象との対話の糸口が見つかる瞬間だ。私はこの瞬間を、ヴァラナシ、コルカタで体験した。


 芸術とは衝撃である。題材を妥協なく時空を超えて渉猟する。題材の振幅の中に世界の理解の手掛かりを求めたいと思う。まだ模索中であり、確実な手応えがあった対象を描くのが精一杯であるが、これを持って偽らざる自分の近況報告としたい。


 前回の個展から2年。まだまだ対象の持つ凄さを表現しきれていない。遠景の大地と街をしっかり描ききると、そこにかえって深い対象までの距離が出る筈だ。場所と体験を描くことができるのではないか? 絵画の凄さも、ここにあると思う。


 私がこれまでに描き続けてきた風景は、これからも私に「世界はどうできていて、どう観ればよいのか」を教え続けてくれるはずだ。だから本当に完成するまで、まだ描く。描き続ける。今回の個展では、その途中の過程をご覧いただく形となる。次に何を探すべきかは、閃きのようなものを手掛かりとするより他ない。

これからの表現

 去年父が逝去した。自分も同様に死を迎える。これ以上の未知の体験はあるだろうか? 物を見つめる行為は自然と求心力的になり、思索に誘う。生きる時間はあまり長くない。こう書くと、今の自分の状況は全く眼前の対象を追うのに精一杯であるという他ない。

 絵とは何か―。

 まだ解らずに描いているが、毎回全力投球し、自分の世界を素直に元気にギラギラ表現しようではないかと思っている。


 私は今回出品する作品から、あるシリーズを構想している。刺激的で活力溢れるインドとは対極にある世界だが、これも世界の一形態であり、同じ地球上で起こっている世界だ。「人間」と「自然」を対比するよりも、「世界があって、そこに人間がいた」という実感が強くなった。「世界の広さ」は、「人生の自由」と「世界の構造」―。

 旅の短い時間では、表面しか見えてこない。しかし、それを肩肘張らず素直に受け入れて行動すれば良いのではないかとも思う。イメージが見えるまで描くしかない。絵とはどう成立するかを考え、ガツガツせず、感動と初心と基本を大切に描けば良いのではないかと思う。


 これまでの私は、珍しさのあまり現象ばかりを見てきたような気がする。インドに通う回数を重ね、ヴェールを剥ぎ取り、自分も当たり前の状態となって、現地の人々の生活感情に近づいて行きたい。一ヶ所に腰を据えて、場の力や空気を感じる仕事は次に譲る。今は、あまり手を加えずにじっくりと現実の雰囲気を掬い上げたい。自分が面白さを感じたコルカタのイメージを、日本の日常と同じレベルで、起こっていることの意味を理解し、感じられるようにしたい。イメージがより深いイメージを連れてくるまで、私は画面と対話し、描き続ける。まだまだ借り物の感じが否めないが、そこで得られた力を使って、ひいては日本の歴史の層の厚さを紐解いていきたい。

歴史―現在・過去・未来

 たったの40年の間に、住居も車も変わってしまった。まさに隔世の感。しかし、目の前に見えている現実そのものの層の厚さは、インドの方が遥かに日本を凌駕している。寺院近くの目抜き通りに建つビルが「250年前のものだ」と、現地の人々は事も無げに言う。100年前なら分かる…近代って、何だった? 自分が生まれ育った昭和の風景は、いったいどこへ行ってしまったのか―。


 今回の地震災害は、衝撃だった。今なお癒えない深い傷。今回の私の展覧会もまた、まだ現在進行形という他ない。現実に起こっていることに迫ること、現実を超え一皮めくって見えてくる世界を表現することができたらと思う。

 出直しの日本。日本の文化水脈を改めて見直すこと。そして、当たり前に絵を描くことの大切さについて、考えている。(榊原康範)

榊原康範プロフィール

榊原康範美術館ウェブサイトのご紹介

榊原康範美術館

〔図版=榊原康範美術館ウェブ・トップ画像より⇒http://bara-art.vis.ne.jp/index.htm〕

榊原康範(さかきばらやすのり) ― 略歴

1967年愛知県岡崎市生まれ/1992年多摩美術大学卒業/1995年第71回白日展初出品(東海TV放送賞)(以後出品を重ねる)/1996年絵画教室「榊原絵画研究所」設立/第22回中部白日展(愛知県美術館)/1998年第24回中部白日展中日賞/岡崎市美術展(市教育委員長賞)/1999年第25回中部白日展(奨励賞)/2001年第77回白日展(会友推挙)(中日賞)/2002年第3回大王大賞展(銀賞) /2003年第79回白日展(準会員推挙)/第29回中部白日展(坂角賞)/2004年第30回中部白日展(中部白日賞)/岡崎市美術展(岡崎文化協会賞)/坂角賞展(ギャラリー坂角/名古屋)/ネパール・タイ取材旅行/2005年第81回白日展(富田賞)(会員推挙)/中部総合美術展(愛知県美術館/主催:名古屋タイムス社)/インド・タイ取材旅行/2006年明日の白日展(松屋銀座)/五差路展(日動画廊/名古屋/以後出品を重ねる)/中部総合美術展(愛知県美術館/主催:名古屋タイムス社)/岡崎市美術展(岡崎観光協会賞)(岡崎美術協会会員推薦)/2007年榊原康範展「人間と自然」(ギャラリータマミジアム)/第2回五差路展(日動画廊/名古屋)/第6回大王大賞展(銀賞)/2009年榊原康範展2「私の観た世界」(ギャラリータマミジアム)/2011年榊原康範展3(ギャラリータマミジアム)/2011年6月現在:白日会会員/岡崎市美術協会会員/収蔵:三重県志摩市大王町

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