平栗幸雄木版画遺作展-『ふるさとへの思い』|名古屋の画廊ギャラリータマミジアム

平栗幸雄木版画遺作展-『ふるさとへの思い』|2008年5月8日(木)〜5月13日(火)会期中無休|午前11時〜午後6時

2006年に他界された平栗幸雄先生による叙情的な木版画の展覧会「平栗幸雄木版画遺作展『ふるさとへの思い』」をご紹介。

平栗幸雄木版画遺作展-展覧会のご案内

平栗幸雄作品

展覧会のご案内

 本展は、晩年に「ふるさとを描く抒情詩人」とまで言われるようになった木版画家・平栗幸雄先生の遺作展です。

 作家は1933年に長野県飯田市に生まれ、幼い頃から絵の才能を見出されてきました。中学に入ると美術講師から木版画を勧められ、これを機に独学で本格的な木版画を制作するようになりました。以後、作家はその生涯の大部分をこの木版画制作に捧げることになり、「ふるさと」をテーマとした、見る人の心に残る名作の数々を発表してきました。そしてその集大成ともいえる個展の準備を進めていた2006年の4月、作家は予期せずしてその生涯を閉じられました。

 本展におきましては、今一度平栗幸雄先生の画業の軌跡を辿るとともに、その名作の数々を展示して、作家が果たせなかった最後の個展で私たちに伝えようとしていたメッセージが何であったのかを探っていきたいと存じます。何卒是非ご高覧くださいますよう、お願い申し上げます。

〔図版=『赤い電車(揖斐線)』 平栗幸雄 25.0×35.0cm 木版画 16版19色 2002年 (※揖斐川町にて、2001年9月に廃線となった揖斐線)〕


平栗幸雄木版画遺作展-開催概要

展覧会名
平栗幸雄木版画遺作展 『ふるさとへの思い』
Yukio Hiraguri Exhibition 2008
展覧会会期
2008年5月8日(木)〜5月13日(火)
休廊日
会期中無休
開廊時間
午前11時〜午後6時
入場観覧料
無料
出品作家
平栗幸雄(ひらぐり ゆきお)
主催
平栗晃子(故・平栗幸雄夫人)
共催
ギャラリータマミジアム
展示内容
木版画/平栗幸雄木版画集/版木実物/製版及び摺りの過程の説明具一式

平栗幸雄木版画作品について

「ふるさと」を表現できる抒情詩人 〔文:吉田正樹/もくはん倶楽部主宰/2007年〕

平栗幸雄作品 私が初めて平栗幸雄さんとお会いしたのは、今から15年前の高山・版画の宿「西山荘」での作品交換会だったと思う。この時は、あまり親しく話もできなかったが、作品の確かさには正直驚いた。「この人は他の人とは明らかに何かが違う」と感じた。数年後、私が主宰している「もくはん倶楽部展」に彼が参加してきた。自分の作品世界を大事にしている人に参加して欲しいと常々思っていたので、当然の成り行きだろうと内心喜んだのは言うまでもない。


 彼のいろんな作品にそれぞれの感想はあるが、伊吹山の春景色を表現した作品を見たとき、彼の目指している本質が垣間分かったような気がした。早春の季節だけにある息吹のような空気感が画面から伝わってきた。彼には、色彩や形以外のはかなげな空気までも表現できる才能がある。それ以後、彼の風景版画には注目してきたが、私の期待を裏切ることはなく、むしろ着々と作品世界を築いてきたようだ。南信州の飯田の風景にも、彼が生まれ育った「ふるさと」に対する一種の懐かしさのような郷愁を感じることができる。作品を見る限り彼にとって「ふるさと」への思い入れは、並々ならぬものがあったことだろう。


 その後、第二の「ふるさと」とも言える岐阜近郊の田園風景を背景に走る赤い電車の作品にも、彼にしか表現できない独自の空気感のようなものを感じた。木版画だから色数を減らして版をつくるといった安易な妥協はなく、納得できるまで色彩を使い、豊かな抒情風景を生み出している。まさに、彼こそ「ふるさと」を表現できる抒情詩人に違いない。


 今後、どのような平栗ワールドが展開されるのか楽しみにしていたが、突然の訃報によって彼の夢も私の期待も消えてしまった。本当に残念でならない。せめて、今は静かにご冥福を祈りたい。

〔文=吉田正樹(もくはん倶楽部主宰)『平栗幸雄木版画集』(2007年平栗晃子発行)より転載〕

〔図版=『揖斐川河畔早春』 平栗幸雄 25.0×35.0cm 木版画 17版18色 2002年〕

平栗幸雄|略歴

平栗幸雄 (ひらぐり ゆきお)

平栗幸雄先生木版画制作風景

1933年長野県飯田市生まれ/1943年新愛知新聞(現・中日新聞)新春絵画コンクール小学生部第1席/1948年郵政省貯金局の郵便貯金奨励ポスター募集コンクール銀賞/日本画家三浦跳古(嘉臣)に師事し木版画を学ぶ/1949年信濃毎日新聞新春似顔絵コンクール優秀賞/1950年飯田市高校連合美術展木版画奨励賞/1952年中部電力株式会社入社/1979年飯田市龍共印刷株式会社第1回年賀状コンクール特選/1984年全国趣味の年賀状交換会「藝社」入会/準大賞/1985年大判木版画制作復活(独学で自画・自刻・自摺の多色刷り木版画を制作)/1991年NHKテレビ「のみひだガイド」にて木版画年賀状が紹介される/1992年第48回藝社版画部門塚越賞/中電グループ「彩の会」入会/1995年西山荘木版画同好会入会/第9回高山「版画の宿」西山荘年賀状コンクール入賞(以後3回連続)/1996年第52回藝社人気投票第1位(2000年の藝社終催時まで5年連続人気投票第1位)/1997年連合岐阜年賀状コンテスト最優秀賞/1998年連合岐阜年賀状コンテスト優秀賞/岐阜県水彩画展版画部門入選/1999年第2回もくはん倶楽部展(以後出品を重ねる)/平栗幸雄・加藤健木版画二人展(名古屋都ホテル)/2000年平栗幸雄木版画展(中央三井信託銀行名古屋駅前支店)/2001年高山グリーンホテル木版画年賀状展第1席/平栗幸雄木版画展(飯田信用金庫松尾支店)/2003年平栗幸雄木版画展(ギャラリー鮎)/2005年平栗幸雄木版画展(ギャラリーチカシン)(ギャラリー鮎)/2006年4月16日永眠

平栗幸雄作品
〔図版上=アトリエの平栗幸雄先生〕

〔図版左=『週休肝二日完全実施』 平栗幸雄 木版画 1983年(季節の便り・中部電力新聞「1983年私のチャレンジ」より)〕

平栗幸雄木版画遺作展が紹介されました(1)

平栗幸雄展新聞記事

展覧会

□…名古屋…□

平栗幸雄木版画遺作展

13日まで、ギャラリータマミジアム(錦3、玉水ビル2階)。


〔中日新聞2008年5月8日(木)夕刊「週末ガイド『展覧会』」より〕

平栗幸雄木版画遺作展が紹介されました(2)

『月刊なごや』 GALLERY・GUIDE-5

『月刊なごや』に掲載された「平栗幸雄木版画遺作展」記事

ギャラリータマミジアム

平栗幸雄木版画遺作展 『ふるさとへの思い』

5月8日(水)〜13日(火)


図版(上)=『揖斐川河畔早春』

図版(下)=『赤い電車』(揖斐線)


〔『月刊なごや』愛知・岐阜・三重/2008年5月号通巻第308号「ギャラリーガイド」より/発行:北白川書房〕


※本展開催期間中に『月刊なごや』2008年5月号をご希望の方は、ギャラリータマミジアム事務員までお気軽にお申し出ください。先着10名様に、無料で差し上げます。

⇒頒布終了しました。

平栗幸雄木版画遺作展会場風景

平栗幸雄木版画作品のソースとなったスケッチブックを多数展示

平栗幸雄木版画遺作展会場風景

 平栗幸雄先生は、実際に木版画を制作する前にスケッチブックに何枚も写生画を描きました。そして木版画制作に使用する版数と色数を入念に計算し、最終的な作品の全体像を丹念に構想していました。

 私たちが平栗幸雄先生の木版画作品の中に独特の「空気」を感じとることができるのは、まさにこれら幾多の過程を経たがゆえの結晶であると言っても過言ではありません。

 会場には平栗幸雄先生の汗水の部分となったこれらのスケッチブックを多数展示し、実際に仕上げられた作品と比較することによって、作家の造形思考の過程を垣間見ることができました。

平栗幸雄作品に実際に用いられた版木を展示

平栗幸雄木版画遺作展会場風景

 会場には平栗幸雄先生が実際に使用した版木も併せて展示されました。一つの木版画作品が出来上がるまでの「摺り」の過程が、詳しくご覧頂けます。

 また、作家の没後に出版された『平栗幸雄木版画作品集』をはじめ、年賀状ハガキや御礼状ハガキなど、これまでに作家が制作してきた木版画作品の大部分が展示されました。作家の画業を辿るに申し分のない質と量の作品が一堂に展示され、木版画と故郷をこよなく愛した作家の思いが偲ばれます。

連日多数の来場者に接客する平栗晃子氏

平栗幸雄木版画遺作展会場風景

 会場は初日から多数の来場者で賑わいを見せました。会期中は人波絶えることなく、主催者の平栗晃子氏も大変な忙しさとなりました。


お忙しい中、本展にご来廊頂きました皆様方に、厚く御礼申し上げます。


〔写真右端:平栗晃子氏〕

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