渡辺裕司木版画展-雪積む町|2007年2月17日(土)〜2月25(日)〔※21日(水)休み〕|午前11時〜午後6時
木版画家の渡辺裕司による「雪」をテーマとした木版画作品の展覧会「渡辺裕司木版画展」をご紹介。

展覧会のご案内
木版画家の渡辺裕司先生は、大地、空、山、海、雲、星、月、草木などをモチーフに、日本の素朴な風景をi色鮮やかな色彩で表現されてきた作家です。構成的かつ心象的な画風は観るものに安らぎを与え、軽やかさの中にも作品の根底に流れる作家の「思い」や「願い」といった普遍的なテーマを感じとることができます。
本展では、「雪」を題材とした作品を中心に、「平安な色彩風景」を追求してこられた木版画作品を約50点展示致します。是非ご高覧ください。
〔図版=『雪積む町』 渡辺裕司 木版画〕
渡辺裕司木版画展-開催概要
日本の伝統的な木版画制作の流れを受け継いで
浮世絵版画に代表されるように、数十版に及ぶ緻密な多色摺り版画が日本で秀れた作品になったのは、独得の和紙、バレン(版木に乗せた和紙をこする道具)、ブラシ、ハケ(色を版木に塗る道具)、桜や欅などの版木素材が良かった事、そして何より日本の多湿な気候条件が木版を摺る工程に最適であったことは周知の事実です。
現在の私は、そんな日本の伝統的な流れを受け継いで木版画を制作しています。
30年前に三重県から京都へ移り住んだのも、ひとつは彫師、摺師と云われる木版制作に係わる専門家たちの作業を間近に見たいと思ったからです。道具を大切にする心と、同じ作業を丹念に続ける忍耐を学び、多くの知識を得ました。 ・・・昔と違って今は絵の具がとても多種になり、色彩表現の可能性が無限に広がったのではないかと思います。今、私のテーマのひとつに間接的色付でどこまで深く美しい色が出せるか、遠い宙の青、長い年月が作り出す古代色、喜怒哀楽を色で、風景の形を借り、より美しい色を捜して埋めて行きたいと考えています。
また、現在の様に物が無かった子供の頃、月や星に希いを託した想い、それは今も夜空を見上げる小さな人間を力づけてくれます。美しい星を追って村や街を旅して版画を創って行くのも私の楽しい仕事です。
(木版画家|渡辺裕司)
ここ数年、月、星のある風景を主に制作しています。戦後の幼年期、しばらく田舎では燃費節減のため、「もらい湯」という習慣があり、近くの親戚同士が交代で互いの風呂を使いに往き来していました。暗い田舎の田んぼ道では、月を見上げ、星と対話するしか小才がなく、明日の希いを星に託す家族の語らいの湯でもありました。
その後、都市へ移って生活は一変しますが、フトしたことで信州の山中に住むようになって最初の夜、空には星が満ちて新たな生活の不安を払拭してくれました。信州での10年は美しき星の再発見、星と過ごしたといってもよいでしょう。現在は東京住まいでほとんど星は見えませんが、終焉の地は、こぼれるような星屑が手に届きそうな場所であったらと祈っています。
(木版画家|渡辺裕司)
渡辺 裕司 (わたなべ ゆうじ)
1941年三重県生まれ/1963年木下富雄氏に師事・木版画を始める/1966年日本版画協会展初入選/1968年日本版画協会展奨励賞・準会員推挙/水彩協会展版画部最高賞/1984年期待の新人版画大賞展買上賞/1986年信州版画協会展知事賞/2003年イタリアを巡る/渡辺裕司木版画展-イタリア紀行-(ギャラリータマミジアム)/2005年「日本の華麗なる手仕事の世界展」(ギャラリーアリザリヌ/フランス・パリ)〔主催:山画廊〕/2007年渡辺裕司木版画展-雪積む町-(ギャラリータマミジアム)
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